先日、中三の振替授業の折、夏期講習から入った生徒さんのお母さまとお電話でお話ししました。
以前のところとは違って、楽しそうに、自分でスケジュールも把握して、通っています。とのことで、そりゃあ、あの様子を見てるとそうだろうなあ、と納得の私・・・。先に入った男子生徒と仲良く名前を呼び捨てで呼び合い、彼が入ってから、ほかの生徒も、刺激を受けて、頑張り出した様子。ちょっと先輩風吹かせていたりして・・・。笑
その後、最近の実力テストの結果についてのお話があり、まあ、ちょっと下がったくらいの様子。まあ、彼の様子から、まだ成績は出てこないなあ、と思っていたので、率直にお話ししました。
その後、「ビシバシ厳しく指導してください！！」と言われたので、「承知いたしました！」と電話を切るや「あんたー！！っ！」、と叫び(まだ電話は切れておらず、お母さまには聞こえていただろうと思います。)、「実力テスト、落ちたんやって！？」と超大げさに言い、その後、

「○○、こないだの実力テスト、どうやったっけ？」
「上がりました！」
「○○君、あなたはどうだったっけ？」
「上がりました！！」
(彼らは、私が何をしようとしているか、分かっているので、ニヤッと笑いながら・・・。)


「ふうん、みんな上がってるのにねえ・・・。」
(正直、夏に始めたくらいで、すぐには上がるはずもない。)
と嫌味タップリにジロジロ見つめ、お母さまに、ほかの子は上がってました！とメールしておいたからね。と言い渡す私。勉強せんかったら、どうなるか、分かってるでしょうね、というニュアンス。
頭の良いお子さんなので、次回のテストあたりで伸びてくることくらいはわかっているのですが、ちょっぴり、柔らかく、陰険に喝を入れます。

この間をだんだん生徒たちは理解していきます。

もっと陰険バージョンもあります。
自習から、わりと早めに帰ろうとする高校生に、
「あらあ、えらい早いお帰りではありませんかしら？」(ニッコリ)
「ああ、お腹空いたんで・・・。」(ニヤリ。)
「あなた。どこの高校の生徒だったかしら？」(ニッコリ)
「○○高校です！」
「それでいいと思ってんの！？」(ジロッ。ちょっぴり怒りのニュアンス。)
「なんで、そこで学校の名前を出すんですか？」
「決まってるやん！嫌味を増すためよ！！」(ニヤリ。)

高1のときにこの会話をした生徒も、今は高３。
徐々に私との、嫌味なのか愛情なのか、励ましなのか、あるいはユーモア？ウィット？なのかわからない会話をしながら、国語力の伸長にも生かしつつ、それでも、何のかんの言っては、喜んで、教室にやってきます。実際、理系の彼は、国語で飛ばしています。

先日もありました。
その前の晩に、ラインで、「明日、僕の指導、ありますよね？」と確認の連絡がありました。寝ぼけながら、「はい。」と送った記憶がありました。
次の日、おそるおそる、というように、彼が、玄関を入って、「今日、ありますよね？」と聞いてから、「先生から、返信来なかったんで。」ととぼけたことを言っています。
「うっそーっ！私、返信したわよ！」と言いながら、確認すると、「はい。」は確かにあるものの、送っていなかった・・・。
「ごめん。今、送信したから。」「ほんま、悪かったわ。」と言いながら、ふと彼の顔を見て、おかしくなりました。心配そうに、「僕、先生に、嫌われたかと思った。」
ちなみに彼は高2です。可愛くなってしまったら、ここでチョッピリいたぶりたくなるのが人情です。
「そんなん、いつものことやん。」
と言ったその後、彼の顔が曇った一瞬の後、「あんなあ、○○。ホンマに嫌いやったり、怒ってる人に、そんなことまともに言えると思う？冗談に決まってるやんか。あほやなあ・・・。」と大笑い。
彼は真剣に、「今のジョークですよね？」と一生懸命に確認しています。
その真剣な顔を見て、ちょっぴりかわいそうにも愛しくもなりながら、でも、そういった、人間関係の中での機知やウィットなども理解したり、さらには、国語や英語での心情理解にもつなげていってほしいのです。その後、彼はむしろ私との関係に、安心してくれているような様子。きっと、打ち解けて冗談を言い合えるようになってきた、と思ってくれているのでしょう。最近、ずいぶん、落ち着いて勉強するようになってきています。

昔、なんでも真剣に聞いて、じわーんと来て、一生懸命、心を落ち着かせようとしていたまだ小さかった息子の様子を思い出してしまいました。
彼が感じやすいのでついついいたぶってしまって、でも、余計に可愛くなって、その、ホッとしたときの表情が愛しくてたまらなかったのを思い出します。だんだんにお兄ちゃんになり、人の冗談にも、サラッとかわせるようになっていった過程もなんだか懐かしく思い出します。

同様、彼らも、私とのやり取りの中で、それはそれなりに気持ちを受け止めてくれているようで、だんだん教室に馴染み、先輩や後輩とのやり取りの中で、人間としても成長しているようです。
今は、チェリーの中で、まるで部活のように、部長、副部長、書記、会計、予備などと決めているようで、二階の自習室には、そのメンバーが勝手に書かれていました。
何とかクラブらしいのですが・・・。チェリー・ブロッサム○○部。

それから、今の受験生たちは、高三を中心に、冬期の特訓に心が飛んでいるようです。
あれこれ画策している様子がおかしい。
普通、それを楽しみにはいないでしょ？
新しく入塾した生徒さんも、柔軟に受け入れて、「あんたも仲間やよ！」などと言っています。
決して閉鎖的ではないけれど、かと言って、縛りがあるわけでもない。来るもの拒まず。でも去る者(まだいないけど。)追わず、という感じ。でもお互いに、ちょっとだけ思いやっている。

そのうち、生徒たちの組合から、私は糾弾されて(件の嫌味激励の件など。)、弾劾裁判などに掛けられたりして・・・、などと妄想をたくましくしています。